写真:今回設置した気象観測機器の外観
ここ数年、特に首都圏では夏~秋季の短時間集中豪雨・いわゆるゲリラ豪雨に遭遇する機会が多くなり、毎年のようにゲリラ豪雨による被害が報道されるようになりました。このゲリラ豪雨は、ほんの10分~20分の間に極端に多い雨量が狭い範囲に集中的に降るため、水没等について非常に危険性の高い防災懸案事項です。
川口市にあるエルザタワー32周辺は、荒川へ繋がる芝川の氾濫で水没することが多かったようですが、このところの治水事業で殆ど川の氾濫による水害は抑止できているようで、エルザ32が竣工した2002年からは被害に至っていません。
しかし、ゲリラ豪雨による水害は治水事業で防ぎきることができず、マンション周辺は一部土地の低い場所もあり、ゲリラ豪雨や秋季の台風や秋雨前線による降雨に対して備える必要があると常々自治会防災部で話題になっていました。
特に、マンション内設備として機械式駐車場の地下部や建物地下一階の機械室やトランクルーム(物置スペース)への浸水については、後者は過去にドライエリアという地上への避難ハッチ部からゲリラ豪雨による排水能力オーバーにて浸水被害がありました。
そこで、雨量を正確にかつ迅速に把握するために、上の写真のような気象観測機器を設置することが先の自治会総会にて決議されましたので、秋季の豪雨懸念時期を前に設置しました。
今回設置した観測機器では、次の観測項目を把握できます。
・降雨量(単位時間あたり・日間・月刊・年間)
・風力
・風向
・気温
・湿度
・気圧
写真:観測機器の近影
観測機器の黒い帽子のような部分にて雨量を計測し、その下の白色の蛇腹部に気温・湿度・気圧を測定するセンサーが内蔵されています。
写真:降雨センサー部
降雨は、ご覧のような「獅子脅し」状の部分で降雨した水を受け止め、シーソーのように行き来した回数を底部の電磁センサーでカウントすることにより雨量を測定します。
写真:1階防災センタに配置した観測データ監視端末
観測データを表示する監視端末を一階の防災センタに配置し、極端な降雨量となった時にブザーが鳴動するように設定してあります。エルザ32の防災センタには24時間人員が常駐していますので、ブザー鳴動時には浸水危険エリアへ直ちに巡回する等の処置が可能となり、豪雨に対する初動が遅れないような体制を取る事としました。この運用については、管理会社・管理員さん・設備員さん・警備員さんへ申し送りを完了しました。
写真:観測機器設置全景
観測機器はご覧のように景観に配慮し、目立たない場所へ設置しています。
写真:観測データ配信システム
同様に自治会総会にて可決した予算にて導入したコンピュータを使用し、監視端末からのデータをコンピュータで配信しています。これは防災センターでの設備管理対応だけではなく、広く居住者の皆さんがゲリラ豪雨等に警戒いただく場合の参考データとして配信しています。
以前からいろいろな場面で周知してきましたが、機械式駐車場地下部を賃借されている皆さんは豪雨時にはご自身で水損を防ぐために車両を地上に出していただく必要がありますが、その参考にしていただくために皆さんにもご覧いただけるようにしました。
但し、この気象観測データ配信システムは飽くまでも【参考データ】を供するためのものですので、このデータをご利用いただいた結果(データが更新されていなかった等の故障を含む)については、管理組合・自治会防災部・同システム管理担当者は一切の責を負いませんので予めご了承下さい。飽くまでも最終確認は、ご自身で実際の気象状況をご確認頂きご判断ください。
画像:気象傾向グラフ表示の様子
また、掲載ページ下段にあるメニューをクリックいただきますと、ご覧のような各気象データの統計グラフや最高気温・最低気温といった各種統計データもご覧いただけますので、お出かけ時やベランダ家庭菜園等の参考データとしてもご活用ください。
ご紹介した観測データ公開サイトは、こちら(一部日本語対応)とこちら(予備サイト)でリアルタイムデータがご覧いただけますし、Twitter防災部公式アカウント(@ELSA32_bousai)でも15分ごとの情報をツイートでご覧いただけます。Twitterをご利用の方は是非公式アカウントをフォローして下さい。
集中豪雨が予想される際、一般居住者の方はこのTwitterアカウント(15分毎更新)や防災センタからの館内一斉放送に注意していただき、その後各観測データ公開サイトへ来ていただければ5分ごとの降雨推移が確認できます。
[ 2013年9月10日追記 ]
2013年9月10日午前零時より、配信品質向上のため気象観測データ配信サーバーを移転しオリジナルドメイン名にて運用を開始しました。
新気象観測データ配信ホームページ http://www.elsatower32.org/